庁舎位置条例の反対討論

米原市議会議員の松崎淳です。

圧倒的な賛成多数で米原駅東口庁舎案は可決されていると思いますが、その議案に対する反対討論の原稿を、タイマー設定して公開します。

 議案第59号・米原市役所位置設定条例の一部を改正する条例について、まさか私だけになるとは思ってもおらず、最後の一人となってしまいましたが、米原駅東口を庁舎位置とすることの問題点を挙げ、反対の立場で討論いたします。

これまで議論してきた「市民自治センター機能」と、「山東伊吹専門組織」の違いとは

 この6月議会に再提出された議案に伴い、米原市庁舎等整備基本構想も一部見直されました。その内容は、山東・伊吹地域に配慮し、専門の組織を山東庁舎に配置する、というものでした。委員会審議でも確認しましたが、この一言を追加したことで事態が進展しましたが、実質的に庁舎整備の基本方針というものに何ら変更はなく、米原駅東口に立派な庁舎が建設される予定のまま、となっています。

 これまでの長い長い議論の中で、市民自治センターを庁舎の置かれない3地域、伊吹・山東・近江に配置し、市民に不便を極力かけないよう努める旨は説明されてきました。今回の山東・伊吹専門組織を山東庁舎に配置するというのが、これまでの自治センター機能とどのように違うのか、この点に関する議論は次のステップである基本計画策定時まで先送りされ、現時点では何も議論されておりません。これまでどれだけ議論を大切にしてきたのか、それがないがしろにされた、残念な動きと言わざるを得ません。

これまでの「統合庁舎」とは全く異なるのをどう説明するのか

 山東庁舎を活用する案というのも、以前から突如提示されるようになって疑問を感じていました。この議場のある山東庁舎の活用については私も、米原市に不足している美術館・博物館といった文化的機能を集積すればいいという案を出したこともありましたが、福祉分野の組織を集約するという案も執行部から示されて来ていました。それが今回、庁舎機能の一部とする総合支所案が出され、それに執行部が乗っかってしまいました。別の用途で活用することと、庁舎機能として活用するのでは、全然違う大きな差があるのを市民のみなさんは認識されていらっしゃるでしょうか。

 庁舎機能の一部が山東庁舎に配置されるとなると、これまでずっと議論してきた、「統合庁舎」という考えが大きく崩れることになります。4つの庁舎に分散する弊害が大きくなってきたので統合庁舎の議論がこれまで展開されてきました。職員がバラバラでコミュニケーションに課題がある点や、市民の利便性が保てない点、施設の維持管理のコストの問題など、様々な課題・弊害が山積しています。

 もし山東庁舎を今後も庁舎として活用するとなると、実質的に2庁舎方式として、これまでの弊害がこれ以降もずっと残ることになります。1年以上も統合庁舎を前提に議論してきたのに、ここに来て突然2庁舎方式でやります、と言われても納得できませんし、市民への説明もできません。さらに、これまで統合庁舎に賛成されてきた議員の判断根拠も崩れているわけで、そこをどう整理するのか、それも明らかにされないまま進むことは、残念であると言わざるを得ません。

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整備費用はどうなる、こうした議論がなされてないことが問題である

 整備費用はどうする、結局分庁方式となるので、米原駅東口庁舎は規模を縮小し50億円もかけずに40億円でおさめて、残り10億で山東庁舎を再整備するのでしょうか。4庁方式にかかっていた移動コストや維持費用、これも削減される見込みで動いていたはずですが、この議論もすっ飛ばされて進められています。おかしいです。これをおかしい、と言わずに何をおかしい、と言ったらいいのでしょうか。残念と言わざるを得ません。

いずれ見捨てられる山東伊吹地域対策への懸念

 山東・伊吹地域に配慮する姿勢を示されましたが、果たしてこれもどこまで信用していいものか、疑問が残ります。合併した当初は各庁舎に配置されたセンター長、これは部長級の職員があてられていましたが、今や課長級です。職員の格は関係ない、との答弁を委員会でもらいましたが、市役所・行政は組織で動いています。部長と課長ではどれほどの違いがあるのかは、職員のみなさんの方がご存知ではないでしょうか。

 さらに、地域振興部が設置されて4地域に自治振興課が置かれていましたが、気づいたら米原庁舎に地域振興課という本部機能が置かれ、他の3地域との格差も生まれている、これがこれまでの経緯であり、現状であり、そして今後も容易に予想される姿ではないでしょうか。山東庁舎を活用した山東・伊吹専門組織も、いつ廃止されるかわかりません。2庁舎方式によるデメリットは明らかですので、ものの2年もしたら当初案の通りの自治センター機能に格下げされて、市の南西端に位置する米原駅東口庁舎、一本にまとめられてしまうことでしょう。

もっと丁寧な議論を

 そうなってしまっては、何のためにこれまで議論を執行部と議会とで交わしてきたのか、それでは意味がなくなってしまいます。結局、圧倒的多数による賛成で米原駅東口庁舎案にするだけのための体裁だけ整えたのと一緒です。市民にとって本当に利便性が高くて安心できる庁舎、その姿をこれまで追い求めてきたはずなのに、そんなこれまでの議論が吹っ飛んでしまうような、乱暴な議論の進め方には到底納得できません。米原駅東口庁舎案を通すだけのための詭弁だったと思わざるを得ません。残念です。

タイムリミット、は想定通り?

 去年の9月議会に議案が上程されてから、まさかの2回の継続審議は、時間稼ぎのためだったとは思いたくはありません。今を逃したら次はない、という委員会審議での発言がありましたが、合併特例債の期限が迫って来るのは最初からわかっていたことで、にも関わらず議論を進めることが出来なかったことは、議会にも、執行部にも、大きな責任があると思います。このような事態のまま、市民をないがしろにした展開になってしまったことは、残念で仕方ありません。

庁舎を宿場町構想の人質にしてはいけない

 前回の3月議会でも触れましたが、宿場町構想と庁舎が一体であるとすることの問題点も引き続き残り、さらに大きくなっています。プロジェクトを推進されてる方の主要実績である東京・大森のダイシン百貨店の建て直しですが、先月、閉店してしまいました。その方はうまいこと売り抜けたが私たちは見捨てられた、と店の従業員や関係者からの悲鳴が上がってきています。

 米原市でも同様のことが起こりかねません。

 宿場町構想という大風呂敷を広げたはいいけど過大な計画で結局うまくいかず、米原駅東口に明るい廃墟だけ残されて、その隣に立派な新庁舎が建っている、そんな情けない姿も容易に想像されます。責任を明確にするためにも庁舎位置とは切り離して、かつ出資金という対応も可能なはずです。この辺りの想定が不十分なまま進められることにも、懸念を抱かざるを得ません。

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市長の姿勢への疑問

 市長は再当選以降、様々な公約の実現のために動いて来られました。私も応援してきた子供の医療費や保育料無料化もありましたし、報酬カットによるお茶の間創造事業、おうみ認定こども園の見直し、それ以外の様々な提案に対しても、議会として正面から向き合い議論を重ね、市民にとってよりよい市にする、という共通目標に向かって是々非々でこれまで取り組んできました。

 しかし今回の庁舎問題、これに関しては残念としか言えないような経過をたどってきました。職員のみなさんが散々努力されてきたことは承知していますが、それが何のための努力だったのか、それがわからなくなるくらいの、市民から見てもわかりにくい問題だったのではないでしょうか。

 誰がどのように責任を取るのか、それが曖昧なまま進められてしまったことに強い懸念を表明するとともに、結局のところ、次世代に負担を残すだけのことになりかねない、このことを大いに心配しております。

住民投票で最終決着を

 やはりここは、市民の声を今一度確認して欲しいと願います。住民投票条例、これに対する疑念が大きいのは承知していますが、これをぜひ活用して、庁舎位置はどうするのか、どれだけのお金を投じるのか、そうしたことを市民に確認した上で庁舎問題に向き合うことが、今後50年100年と続くであろう市の姿の在り方を、真に捉えることになると思います。

後世につけを残さない政治

 国からの交付税が大きく減少することが確実な情勢の中で、それに正面から取り組むことが政治にも行政にも求められている中で、この庁舎問題を筆頭におかしくなってしまっている現状、これも確認してもらうといいでしょう。これまでのバラマキ型の市政のままでいいのか、それともしっかりと先を見すえた政策に転換すべきなのか、その大きな岐路が、この庁舎問題ではないかと捉えています。

 この期に及んで他の議員さんに意思をひるがえして反対して欲しいとお願いするのも野暮ですし、私一人の必死の抵抗になるかもしれませんが、市民の多くの声を代表して、今回の庁舎位置の設定に反対することを表明し、反対討論といたします。

幸か不幸か、与党議員ではない議員生活を当選以降送ってきたので、是々非々で議論するという経験を重ねることができました。

議案に対して反対するにあたっては、反対する根拠をまとめ、出来る限り対案というものを示し、より前向きに進めることができるようにしてきたつもりです。

今回の庁舎位置問題についても、1年以上に渡って議論を重ねてきて、河南庁舎案というのも示しました。そもそもの議案に対する反対理由も、上述の通りまとめました。

それに比べると、与党議員の人達は、どれだけ楽なんだろうな、と思いました。市長が言うこと、行政が言うことに間違いがあるはずないんだから、自分は賛成する。

その根拠を問えば、自分の意思といったものがないことに気づくでしょう。

なんでも反対、はどうかと思いますが、何でも賛成、というのもどうなんでしょ。頑張ります!とか言ってれば済むんですから、どれだけ楽なことか。